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Dec 11 '11

中国小菜 龍圓

思いがけぬお誘いを頂戴して浅草の龍圓という中華料理店に行く機会があった。

師走の浅草、しかも中華、なにやらグルメなカンジのする食事会である。わたくしは年末のゴタゴタで忙殺され気味だったのもあり、お誘いを受けてほんのちょっぴり逡巡したが、気分転換も兼ねて出かけてみることにした。どんなお店で、どんな料理を出してくれるのか、どんな方々が同席するのか、ググることなくまっさらなキモチでお店を訪ねることにした。奇しくも泊まり勤務明けのフラフラな状態であった。

久しぶりの浅草。数日前のブラタモリで銀座線スペシャルがあったばかりなので、当然新橋から地下鉄に乗る。東京メトロというよりは、やはり営団地下鉄という呼称の方がしっくりくる浅草駅界隈を写真撮りながら歩くのもまた楽し。

さて、龍圓。出てきた料理を時系列に紹介してみる。(画像はリンク先にあります)

ピータン豆腐
いきなり度肝を抜かれた。カクテルグラスにふわっと白雪状の物体がお行儀よく盛りつけられている。スプーンですくうと、底の方に刻んだピータンが隠れているのだが、すべて渾然一体となって口腔を駆け抜けていくのが心地いい。豆腐のエスプーマというのは初めて口にしたのだが、この一品だけでも、これから供される料理が未知のジャンルであることを確信させてくれる。

イカのサラダ
鯖と牡蠣の燻製
品書きも見てないし、 シェフの説明も遠くでよく聞こえないため、正確な料理名も調理法もよく分からないので、感じたままを述べていることをご了承いただきたい。
それぞれの料理は疲れた胃腸や心を思いやっているのだろうか。中華料理にありがちな強烈な辛さとは無縁の、素材そのものの味が押し寄せてくるカンジ。脇役のソースが自己主張しすぎず、軽快なアクセントとなっている。
鯖の燻製にはオリーブを刻んだソースがちょこっとのっかってる。これ、銀座の某店でも食べたあのソースだ、とこっそり感激。

海老クリーム春巻き
今どきの言い方をすれば「女子力の詰まった春巻き」だろうか。
パリパリとした揚げ春巻きとのバランスが絶妙。

トリュフかに玉
テーブルに置かれた途端に歓声。そしてトリュフの芳香が立ちこめる。視覚と嗅覚だけでもインパクトありすぎだが、一口頬張ると蟹の旨味が真っ直ぐに来る。卵とトリュフが脇役というのは畏れ多いが、主役が蟹であることをきちんと理解出来る珠玉の一皿。(なんか来栖けいっぽくなってきた、ヤバい)

オレンジ白菜のあんかけ
三浦大根とからすみ
冬野菜がうれしい。しかも、さいきん話題のオレンジ白菜だ。 あんかけには金華ハムの風味が効いているし、塩加減も丁度よく白菜の甘みを引き立たせている。うーん。コレなら鍋一杯でも食べられそうだ。
一方、からすみサンドは無駄を一切削ぎ落した、からすみのガチンコ勝負。ビールと白ワインを飲んでいたのだが、急に純米酒がほしくなる。

砂肝と根菜の炒め物
紫色のサツマイモにも似た人参が使われていた。ケッパーも隠れている。様々な素材がバランスよくまとまっていて、いくら食べても食べ飽きない。なんとなくおせち料理を連想させる一品。

肉団子
真打ち登場。肉団子には軟骨が混ぜ込んであり、柔らかくもあり香ばしくもあり。
そして、その肉団子がのっかってるお布団のようなジャガイモのピューレ。さらには、フカヒレのソースがカーペット状にたっぷり。3つを同時に口に入れると…… 発狂しそうにうまい。思わず「ジャ、ジャ、ジャガイモになりたいー」と意味不明なことを口走ってしまったではないか。
このあたりで、わたくしの味覚の針がふりきったのを感じた。次の瞬間には、シェフに握手を求めていたのは覚えているが、夢中になって食べてて味以外のことは覚えてない。
それぐらい素晴らしかった。

チャーハン
運ばれてきたチャーハンをまじまじと観察。ジャスミンライスが使われている。当然のごとくパラパラの仕上がりなのは、レンゲですくった瞬間に分かる。
が、頬張るまでは分からないことがひとつだけ。
素材がシャキシャキと小気味好く炒められており、ライスを使った繊細な野菜炒めのような気がしてくる。今まで食べたどんなチャーハンとも違う。天才のチャーハンだ。  

デザート
イチゴを惜しみなく使ったアイスクリームと杏仁のコンビネーションで〆。

栖原シェフに丁重にお礼を述べ、名刺を頂戴し握手してもらった。ユーモアたっぷりのステキな方であるばかりでなく、非常に聡明な印象を受けた。料理ばかりでなく、食器やサービスに至るすみずみまで気配りが施されていたのは、シェフの美意識とお人柄だろう。
会に参加されたのは、著名なフードジャーナリストや食通の方々ばかりで、わたくしにはとても敷居が高かったが、美味しい料理をご一緒させていただき、感謝している。 

20 notes Tags: asakusa food nouvelle cuisine chinoise column Ryuin

  1. bellmarunouchi posted this