わたくしがシュミでやってる月1の映画会。今月は思い切って古いハリウッド映画にしてみた。1967年公開の「招かれざる客 / Guess Who’s Coming to Dinner 」である。
あらすじも登場人物もごくシンプル。黒人青年ジョンと白人女性ジョーイが恋に落ち結婚しようとしていた。白人のジョーイの両親、黒人のジョンの両親。若い2人を巡るそれぞれの思惑と葛藤を描いている。
ジョーイの愛は天真爛漫である。愛し合う2人にとって肌の色の違いなど全く眼中にない。黒人のジョンはそれが何を意味するのかを理解しつつも、彼女の情熱に答えようとしている。白人ジョーイの父親も母親も人種差別に反対の立場をとるリベラリストであったが、娘が連れてきた結婚相手が黒人だと知ると、動揺を隠せずにいた。黒人ジョンの両親とて同じである。
それでも、若い2人の真摯な愛に母親たちは心を動かされ、幸せを願いそれを認めた。問題は父親である。どうしても受け入れることの出来ないジョーイの父親マットに対して、神父は「君はあの男に腹を立てているんじゃない。誰よりも自分自身に苛立っているんだ」と箴言を投げかける。また、ジョンの母親は「われわれ母親は 愛し合う2人の気持ちを理解しているが、あなたも私の夫も若い頃誰かを愛した情熱をすっかり忘れてしまっている」と意見を述べる。いずれもマットにとっては耳の痛い言葉であるが、それでも2人を認めるには大きな障害がある。
ジョンも父親と衝突していた。「何のために郵便配達をしてお前をここまで育てたのか考えろ、目を覚ませ」「僕は父親の所有物じゃない」
それぞれが言いたいことを言いあううちに、少しずつ心境の変化が生まれ始めた。やがて、じっと考えていたマットは「私としたことが……」と決意し、全員を集めて2人の結婚を認め祝福しようと発言したのだった。最後は、2つの家族が夕食のテーブルにつくところで幕を閉じる。
人種差別問題を取り上げたアメリカの良心とも言うべき作品であると同時に、親子や夫婦といった家族間の問題も描いている。ストーリーは明瞭だが、表情や手の動きで細かい感情が表現された珠玉のアカデミー賞作品だ。
なんとなく結末が分かっていても最後まで飽きさせない脚本は、映画のお手本といってもよかろう。多感な中高生にこそ、このような良質の古い映画を見てもらいたいと思っている。もちろん、まだ見ていない大人も。